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顛末記
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どうも今晩は。 45口径の下に隠し持った見当違いの物差しで寸足らずの子悪党を成敗するビロードのパンツを履いた小うるさいロミオことMACH5ベース担当アカホシです。



どうしてガニ股に猫背で歩くのかって聞かれたら


「少しでも目立つように」


その一心だ。


立ってるだけで存在感や威圧感のある人間にゃーわからないだろうが、僕のように無害でこれといった特徴のない男はそうでもしないと無視される。

これがどうゆう事か。

勃ってるだけで存在感や威圧感のある人間にはわからないだろうが、僕のように左曲がりでスマートなカリをしている人間は飲食店などに行っても舐められる。


そうゆう事だ。


西新宿にある老舗のステーキハウス。


ランチタイムの店内はそこそこ盛況で、コレステロールと中性脂肪の摂取に余念のないサラリーマンの群れに紛れこんで僕も肉をがっつく。

茶碗に盛られたご飯を平らげお代わりを頼もうと辺りを見回すと、いましがた客の帰ったテーブルをかたしているオジサンがいたので声をかける。


「すいませーん」


・・・


あれ、声ちいさかったかな?


また忙しくなる前に声かけたほうがいいよなと今度は席を立ち腕を差し出した状態で声をかける


「すいません、お代わりをお願いしたいのですが。」


・・・

隣席のサラリーマンが気を使って会話をストップさせたにも関わらず僕の声は彼にとどかない。


他のテーブルの連中がちらっとこっちをみて笑う。

振り上げたお腕は落ち着く先を求めてゆっくりと机に落ちる。


頬を汗が伝う。


いけない、少し熱くなったようだ。

味噌汁を飲む。

ぬるい。

どうやらだいぶ熱くなってしまったようだ。


さてどうしようか。


「ちゃんと名指しで呼んだらどうだい?」
以前にこういう事が僕にはよくあるんだと話した時の友達のアドバイスがよぎる。


少し考えてさっきより小さな声でできるだけ優しくよんでみる。



「おーい、クソジジイ。」



すると店員どころかそのまわりのサラリーマンも一緒になって振り返ってくれた。

なんだ、皆やっぱりクソジジイイだったんだね。



もう二度といかないぜ。

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