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顛末記
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どうも今晩は。アニマル柄のタイトスーツに身を包んだ換気扇と冷蔵庫が踊る夜に奪われた胸の高鳴りは、いつかを夢見て今夜もシガレットケースの内側でくすぶり続ける。色仕掛けで動くロジックが大好きなピンクの折りたたみ傘とイワシのつみれ汁を携えて傷口に塗りこむロマンを探す好奇心旺盛な21世紀の大友宗麟こと、MACH5ベース担当アカホシです。




新宿駅西口には定期的にアルゼンチンだかチリだかボリビアだかそこら辺の血筋のおじさんたちがケーナを吹きにやって来る。


コンドルの飛ばない空でもその音色は雑踏の中で高らかに響きわたり僕の胸にも荒涼とした一陣の風を吹かせてくれる。


そして今日もまた彼らは西口にいていつものように演奏していた。

だがいつもと違うところが一つあった。

それは

ひぃ、ふぅ、みぃ・・・ やっぱり。


とゆうか数えるまでもなく一人多い。


初めて見る40代位のそのおじさんは、うすら笑いを浮かべケミカルウォッシュのジーンズにシャツインでリュックサックを背負い辺りをきょろきょろうかがいながら何かを咥えていた。


おじさんはリコーダーを咥えていた。


40のおっさんがリコーダー(しかもソプラノ)を吹く姿なんて滅多に見られないから足を止めて近づくと、


!!


おっさんめちゃめちゃ上手ぇ!


離れて聞いてるとケーナに音量まけして聞こえないけど、近くで聞くとちゃんとセッションしてる・・・!!



だけど、


だけどおっさんとペルー人だかエクアドル人の間には大きな隔たりがあった。


おっさんは勝手に近づいて勝手にセッションしていたのだ。


おっさん! そこまでいったんなら話しかけろよ!!

ベネズエラだかコロンビアだか日本だかしらねぇが何を恐れる必要がある!?

あと一歩近づけば話さざるをえない空気になるとゆうのに・・・!!



違う!そっちじゃない!

その場で足踏みなんてしなくていい!

「一回まわってはい、ピー」・・・とかやんなくていいから!!


そんな風にやきもきしながら見ていたが、しばらくするとおじさんは笛をリュックにしまい二三度辺りを窺った後うすら笑いを浮かべたままどこかへと消えていった。


あとにはケーナの寂しい音色だけが残った。




・・・今日もカップ麺かな。


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